前回の投稿で便秘には大きく分けて3種類あると説明しましたが、
今回はその中の弛緩性便秘について説明しますね。
弛緩性便秘とは?
弛緩性便秘とは、腸のぜん動運動が弱くなり、便をうまく押し出すことが出来ない便秘です。
便秘には、胃や腸などの消化器官の機能が低下することによって起こる機能性便秘と、病気が原因で起こる器質性便秘があります。
機能性便秘は、さらに弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘の3つのタイプに分かれます。
弛緩性便秘は、便秘の中で最も多いタイプです。女性では、10~20代からこの弛緩性便秘で悩んでいる人が多くいます。
弛緩性便秘の原因
弛緩性便秘の原因は、腸のぜん動運動が弱くなっていることです。ぜん動運動が弱くなるのは、食事や運動など生活習慣が原因であることがほとんどです。
- 筋力の低下、筋肉量の少なさ
- 腹筋が弱くいきむ力が弱い
- 内臓が下垂し、腸が緩む
- 運動不足
- 食物繊維量、食事量、水分量が不足している
- 下剤の乱用により腸の機能が低下
女性に便秘が多いのは、男性よりも筋肉量が少ないからなどとよく聞きますよね。
排便するときは腹圧をかけるので
腹筋が弱いといきむ力が弱まってしまうのです。
ということは筋力を低下させないようにしないといけないわけか・・・
また、加齢によって筋力が低下すると、内臓が下に垂れ腸が緩んでしまいます。
高齢者によく見られる便秘も、弛緩性便秘です。
高齢者は筋力の低下と、食事量が減ってしまうことも原因です。
食物繊維量や食事が不足していると、便の材料となるものが少ないので、便のかさが足りず便が形作られません。
ぜん動運動は胃や腸に食べ物が入ることで起こりますので、弛緩性便秘の人にとって食事は大変重要です。
弛緩性便秘の症状
- 水分が失われるので便が硬くコロコロとしている
- 残便感がある
- お腹が張っているのに何日も出ない
- 便意を感じない
腸のぜん動運動が弱いと、便はなかなかうまく進むことができません。便は腸内滞在時間が長くなると、その間水分が腸に吸収されて、硬い便となってしまうのです。
硬い便を排便するのは、とても困難です。出すのも大変で、排便後もまだ便が残っているような残便感があります。
また下剤を常習的に服用している人は、下剤がないと便を出せない状態になっているため、自然な便意を感じなくなります。
弛緩性便秘になりやすい人
- 筋力や腹筋の弱い人
- 運動不足の人
- 高齢者
- 妊婦さんや産後間もない女性
- ダイエットなどで食事量が少ない人
- 下剤がないと排便できないという人
腸のぜん動運動が弱くなる原因を持っている人が、弛緩性便秘になりやすいです。
弛緩性便秘の改善方法
弛緩性便秘は、腸のぜん動運動が弱くなっていることが原因です。
便の量を増やす食事と、腸の動きを活発にすることが重要です。
- 生活リズムを整えて三度の食事をしっかり食べる
- 食物繊維と水分を積極的にとり、便の量を増やす
- 運動をして体を動かし、腹筋をして鍛える
- 朝起きて1杯の水を飲み、胃腸に刺激を与える
便秘の人は、食事が基本です。
三食しっかりとることと、食物繊維と水分量を意識してとりましょう。
弛緩性便秘の人の場合は、水溶性食物繊維・不溶性食物繊維のどちらをとっても大丈夫です。
起床後すぐに1杯の水を飲むと、空っぽの胃が刺激されて動き出し、胃が動くと腸も刺激されてぜん動運動が起こります。
朝食をとるとぜん動運動が起こりやすくなるので、朝食はしっかり食べましょう。
下剤がないと排便できないという人は、一度病院へ行くことをおすすめします。
市販の刺激性下剤では、便秘は解消されません。
便秘薬は、塩類下剤や膨張性下剤など、刺激が少なくくせになりにくいものを使うことが、便秘治療の基本です。
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