直腸性便秘とは、肛門に近い直腸に何らかの問題があって、便がうまく出せない便秘です。
直腸性便秘は、直腸まで便が下りていているのに、
便意を感じにくくなっているために便がスムーズに出せません。
通常、直腸に便が送られると、直腸の壁が刺激されて脳にサインが送られ排便の指示が出されます。
しかし、その便意を無視し続けると、脳との連携がうまくいかなくなり、
排便の指令が出にくくなって、便意が起こりにくくなってしまうのです。
直腸性便秘は、便意の我慢の他に、直腸瘤やアニスムスが原因なこともあります。
直腸性便秘の原因
便意を我慢すると、脳からの排便サインがなくなり便が出なくなってしまうのです。
朝忙しく便意を我慢してしまう人や、自宅のトイレ以外だと出来なく我慢してしまう人は、せっかくの便意を無視することで、便秘になってしまいます。
- 便意の我慢
- 浣腸を繰り返し使うことで便意が起こりにくくなる
- 直腸瘤があり便がたまってしまう
- アニスムス(骨盤底筋の緊張)により肛門が閉じてしまう
浣腸を何度も繰り返し使うと、脳との連携プレーを無視して無理やり排便させる状態になり、
自然な便意が起こりにくくなります。
加齢や出産、子宮摘出手術などによって直腸瘤が出来ると、
膨らみ部分に便がたまって便秘になります。
骨盤底筋が緊張して肛門が閉じてしまうアニスムスが原因で、便秘になっている人もいます。
直腸性便秘の症状
- 便意を感じにくい
- 硬い便が出る
- 排便時に違和感や痛みがある
- 強くいきまないと排便できない
- うまくいきめない
- いきんでも排便できない
- 排便するのに時間がかかる
- 排便してもすっきりしない
直腸性便秘は、便意が起こりにくく便がたまってしまうので、硬い便になります。
直腸瘤のある人はポケット状に便がたまってしまうので、
排便するのが難しく排便後も残便感があります。
アニスムスのある人は、いきんだときに骨盤底筋に力が入ってしまうので、
排便時にうまくいきめません。
直腸性便秘になりやすい人
- 日常的に便を我慢する人
- 朝忙しく、排便よりも身だしなみを優先する女性
- 浣腸をよく使う人
- 痔がある人
- 出産や子宮摘出手術の経験のある人
便意を我慢し続けると、直腸性便秘になってしまいます。
また、長い間排便時に強くいきみ続けていると、直腸瘤ができやすくなり、直腸性便秘になります。
直腸性便秘の改善方法・解消のポイント
- 便意を感じたら必ずトイレに行く
- 起床時間を早めて、朝の排便時間を作る
- 排便姿勢は前かがみにかかとを上げる
- 痔・直腸瘤・アニスムスは病院で適切な治療を受ける
直腸性便秘の人は、とにかく便を我慢しないことです。
小さな便意でも、必ずトイレに行くようにしましょう。
また、排便時間をゆったりとれるように、朝早めに起きることも大切です。
排便時の姿勢も、出やすくなるスタイルがあります。
腹筋に力が入る和式のトイレがベストですが、
洋式の場合には両肘をひじに置いて前かがみになりましょう。
かかとを少し上げると、腹筋に力が入りやすくなります。
直腸性便秘は、ぜん動運動には問題がないので、大腸を刺激する刺激性下剤では効果がありません。市販の便秘薬は、大半が大腸刺激性下剤です。
刺激性下剤では、直腸性便秘も他の便秘も改善されません。
コメント