オリーブオイルは「自然の下剤」とも言われており、腸を活性化させる働きがあります。
一般的な摂取方法は、炒め物に使ったりサラダにかけて食べることが多いですが、便秘予防としてスプーン一杯分のオリーブオイルを飲む方法もあります。
オレイン酸が便秘解消のカギ
オリーブオイルには、主成分となる「オレイン酸」が含まれていますが、
この「オレイン酸」が便秘解消に役立つ成分となっています。
オリーブオイルに含まれる脂肪酸のなかでも、オレイン酸の含有量は70%以上もあります。
また、リノール酸やリノレン酸も人間の細胞に必要な成分です。
参考:「日本油脂検査協会資料」より
東日本大震災では多くの人が便秘に苦しんでいたと言われています。
そこで、松生クリニック院長の松生恒夫先生は、被災者の便秘対策として「適度なオリーブオイルの摂取」や、「カップラーメンにオリーブオイルを入れて食べる」ことを提案しました。
食べ物から摂取した油は、短時間で腸にたどり着くので、即効性も高いと考えられます。
マキノ出版「排便力をつけて便秘を治す本」より一部引用
また、オリーブオイルの主な油脂源でもある地中海沿岸地方。
そこに住む人々は、脂肪の摂取量が多いにも関わらず、心疾患などの病気を発症する人が少ないことが話題になりました。
このように、オリーブオイルの摂取で生活習慣病のリスクを軽減できることが証明されています。
よい油は食事を美味しく仕上げるだけではなく、体の健康にまで繋がっていると言えるでしょう。
みそ汁とオリーブオイルでおなかを温める
味噌汁にオリーブオイル?と思うかもしれませんが
普段の食事に出てくるみそ汁に、小さじ1杯程のオリーブオイルを加えます。
たった少しの量でも油分がたくさん浮き出てきますが、そこまでの油っぽさはなく、イメージしていたものより飲みやすいですよ。
ちなみにオリーブオイルの中でも、酸度が低いエキストラバージンオイルを使用しました。
オリーブオイルには保温効果があるので、みそ汁やスープのように温かい飲み物と相性がぴったりです。
保温作用が働くので、お腹の冷えも軽減されます。
体にやさしい植物性油
植物性油には、血行促進や自律神経を調節する作用があります。
油の摂取により便のすべりをよくしたり、腸を刺激してぜん動運動が促されるので、便秘解消にも役立ちます。
主な植物性油とその特長を挙げてみました。
油の種類 | 特長・効果 |
---|---|
ごま油 | ゴマの種子から作られた油で酸化しにくいのが特長。中華料理に使われることが多い。 |
菜種油 | 菜種の種子から作られた油で、熱に強い。一般的に家庭用油として使われている。(キャノーラ油は菜種油の一種。) |
ひまわり油 | ひまわりの種子から作られた油で、淡白な味わいでクセがない。マリネやドレッシングのような、生で食べる料理に使われることが多い。 |
グレープシードオイル | ぶどうの種子から作られた油。淡黄・淡緑色をしてまろやかな味わいがある。 |
綿実油 | 綿の種子から作られていて、ビタミンEが豊富に含まれている。サラダ油やマヨネーズの原料に使われている。 |
やし油 | 「ココナッツオイル」とも言われており、ココヤシの実から作られた油。料理やシャンプーとしても使われている。 |
大豆油 | 大豆から作られた油で、油の切れの良さとうまみが特長。硬いようサラダ油は、大豆油と菜種油が調合されたもの。 |
オリーブオイル | オリーブの実を搾って作られた油。独特の香りとうまみがあり、料理・化粧品・医療品にも利用されている。 |
米油 | 日本が主産地で米ぬかからできた油。耐熱性・保存性に優れており、マヨネーズや製薬用としても使われている。 |
パーム油 | パームのヤシの実からできた油。ニンジンでおなじみの「カロテン」が含まれているので、赤橙色をしている。マーガリンやショートニングに使われている。 |
コーン油 | とうもろこしの胚芽からできた油。香ばしい香りがするので揚げ物におすすめ。風味がよく、ドレッシングとしても使われている。 |
紅花油 | 紅花の種子から作られた油。クサさがないので、サラダのドレッシングとして抜群の相性。 |
油は三大栄養素のひとつ
油(脂質)は、三大栄養素に含まれており、身体の機能維持には欠かせない大切な栄養素です。
体のエネルギー源となり、血液や細胞など体の組織を作る役割をしています。
油(脂質)の働きやメリット
- エネルギー源となる
- 血液や細胞をつくる
- ホルモンの生成
- 体温を保つなど
油を摂取することで心配になるのが、「肥満」や「生活習慣病」のリスクが高くなることでしょう。
もちろん過剰摂取はよくありませんが、かと言って油をまったく口にしないのも健康的とは言えません。
油が不足すると、肌荒れや便秘の悪化、脂溶性ビタミンが吸収しにくくなってしまいます。
減量が必要な人でも適度な油の摂取は必要です。
「摂りすぎず・不足しすぎず」を心がけましょう。
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