便秘におすすめの食べ物とは?食物繊維を増やす食事のコツ

便秘に「これだけ食べれば出る」という食品はありません。大切なのは、穀類、豆類、野菜、果物、きのこ、海藻などを組み合わせ、食物繊維を急にではなく少しずつ増やすことです。

一方で、腹痛やお腹の張りが強い人、便が出口で詰まる人では、食物繊維を増やすだけでは改善せず、かえってつらくなる場合があります。

この記事の要点

  • 特定の食品を大量に食べるより、主食・主菜・副菜へ分けて食物繊維を加えます。
  • 2025年版の食事摂取基準では、成人の目標量はおおむね男性20~22g以上、女性17~18g以上です。
  • 食物繊維は少量ずつ増やし、脱水を避けます。
  • 血便、嘔吐、強い腹痛、体重減少などがある場合は食事だけで様子を見ず受診します。

便秘の食事で意識したい3つのこと

  1. 食物繊維をいろいろな食品から取る
  2. 食物繊維を急に増やしすぎない
  3. 脱水を避け、規則的に食べる

食物繊維は便のかさや水分保持、腸内細菌による発酵などに関係します。しかし、体質や便秘のタイプによって反応は異なります。

食物繊維は1日どのくらい必要?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」による成人の目標量は次のとおりです。

年齢 男性 女性
18~29歳 20g以上 18g以上
30~49歳 22g以上 18g以上
50~64歳 22g以上 18g以上
65~74歳 21g以上 18g以上
75歳以上 20g以上 17g以上

この数字は健康維持・生活習慣病予防を含む目標量であり、「この量を取れば便秘が治る」という治療量ではありません。現在の食事が少ない場合は、いきなり目標へ増やさず、1品ずつ追加します。

水溶性・不溶性食物繊維の違い

主な特徴 食品例
水溶性食物繊維 水に溶け、粘性を持つものや腸内細菌に発酵されやすいものがある 大麦、オートミール、果物、海藻、こんにゃく、豆類
不溶性食物繊維 水に溶けにくく、便のかさを増やす 全粒穀物、野菜、きのこ、豆類、種実類

実際の食品には両方が含まれ、厳密に分けて食べる必要はありません。さまざまな食品を組み合わせることが基本です。

便秘のときに取り入れやすい食品

1.大麦・オートミール・全粒穀物

白米の一部を押し麦やもち麦へ替える、白いパンを全粒粉入りへ替えるなど、主食から増やすと続けやすくなります。最初は少量を混ぜ、お腹の張りを見ながら増やします。

2.豆類

納豆、大豆、豆腐に加え、いんげん豆、ひよこ豆、レンズ豆なども食物繊維源です。豆を食べるとガスが増える人は、少量から試します。

3.野菜

根菜、葉物野菜、ブロッコリー、かぼちゃなどを一種類に偏らず取り入れます。生野菜を大量に食べにくい場合は、スープや煮物にすると量を取りやすくなります。

4.果物

キウイ、りんご、梨、柑橘類、ベリー類、プルーンなどは食物繊維を含みます。果汁ジュースより、可能なら果肉を含む果物そのものを選びます。糖質やカリウムの制限がある人は量を医師・管理栄養士へ確認してください。

5.きのこ・海藻

きのこ、わかめ、ひじきなどは副菜や汁物へ加えやすい食品です。ただし、海藻だけを大量に食べるのではなく、ほかの食品と組み合わせます。

6.いも類・こんにゃく

さつまいも、じゃがいも、里いも、こんにゃくなども食物繊維源になります。主食や副菜の一部として取り入れます。

7.ナッツ・種実類

無塩のナッツやごまは少量でも料理へ加えやすい食品です。脂質とエネルギーも多いため、間食やトッピングとして適量にします。小さな子どもや飲み込みに不安がある人は窒息に注意してください。

プルーンやキウイだけで便秘は治る?

一部の食品で排便回数などの改善を調べた研究はありますが、効果には個人差があります。特定食品を薬の代わりのように大量摂取するのは避けましょう。

プルーンは食物繊維と糖アルコールを含み、食べすぎると下痢や腹痛が起こることがあります。果物は1日の食事全体の中へ組み込みます。

発酵食品・ヨーグルトの考え方

ヨーグルト、納豆、みそなどは食事の選択肢になりますが、発酵食品なら必ず便秘が改善するわけではありません。プロバイオティクスの働きは菌株や製品で異なり、全員へ同じ効果が出るとは限りません。

ヨーグルトは1~2週間ほど同じ製品を適量試し、腹痛、張り、便の変化を記録すると自分との相性を判断しやすくなります。

水分は多く飲めば飲むほどよい?

脱水があると便が硬くなることがありますが、必要量を超えて大量の水を飲めば便秘が治るとは限りません。のどの渇き、尿の色、気温、運動量などを見ながら、食事や飲み物から不足しないようにします。

心不全、腎臓病、肝臓病などで水分制限を受けている人は、自己判断で飲水量を増やさず、担当医の指示に従ってください。

朝食を食べるとよい理由

食事をすると胃結腸反射によって大腸が動きやすくなります。特に朝食後は排便を試しやすい時間です。朝食を抜いている人は、無理のない量から始め、食後にトイレへ行く時間を確保します。

排便時の姿勢は前傾姿勢と足台の記事で解説しています。

食物繊維を増やす1日の組み合わせ例

食事 取り入れ方の例
朝食 オートミールまたは麦入りご飯+ヨーグルト+果物
昼食 主食+豆や野菜を使った副菜+汁物
間食 果物または少量の無塩ナッツ
夕食 麦入りご飯+主菜+きのこ・海藻・野菜の副菜

すべてを一度に変える必要はありません。「白米へ大麦を少し混ぜる」「昼食に副菜を1品加える」など、一つずつ始めます。

食物繊維を増やすとお腹が張る場合

  • 増やした食品を一度減らし、少量から再開する
  • 生野菜だけに偏らず、加熱した野菜も使う
  • 豆類、玉ねぎ、小麦、乳製品など、症状との関係を記録する
  • 便秘と下痢、腹痛を繰り返す場合は医療機関へ相談する

過敏性腸症候群(IBS)では、発酵しやすい糖質で症状が悪化する人もいます。自己流の厳しい低FODMAP食を長期間続けず、医師や管理栄養士へ相談してください。

食物繊維を増やさないほうがよい場合

次のような場合は、食物繊維を大量に増やす前に医療機関へ相談します。

  • 強い腹痛や嘔吐がある
  • お腹が急に大きく張り、便もガスも出ない
  • 腸の狭窄や腸閉塞を指摘されている
  • 便意はあるのに出口で詰まる
  • 食物繊維を増やすと症状が明らかに悪化する

出口の問題が疑われる場合は直腸性便秘・出口型便秘もご確認ください。

食事だけで改善しないとき

食事を整えても便秘が続く場合、薬、病気、大腸の動き、排便機能などが関係している可能性があります。食物繊維をさらに増やし続けるのではなく、便秘のタイプを確認します。

治療薬が必要な場合は、便秘薬の種類と選び方をご覧ください。

早めに受診したい症状

  • 血便、黒い便、肛門からの出血
  • 強い、または続く腹痛
  • 嘔吐、発熱、急な腹部膨満
  • 意図しない体重減少、貧血
  • 急に便通が変わった
  • 食事を変えても便秘が長く続く

よくある質問

バナナは便秘におすすめですか?

食物繊維を含む果物の一つですが、バナナだけで便秘が治るとは限りません。ほかの果物、穀類、野菜などと組み合わせます。

食物繊維のサプリメントでもよいですか?

役立つ場合はありますが、成分や量によって張り・腹痛が出ることがあります。薬を服用中の人や持病がある人は医師・薬剤師へ相談してください。

コーヒーは便秘に効きますか?

飲むと便意が起こる人はいますが、治療として全員に勧められるものではありません。動悸、胃痛、睡眠への影響にも注意します。

油を飲むと便が出やすくなりますか?

食事に適量の脂質は必要ですが、オリーブオイルなどを薬のように大量に飲むことは勧められません。下痢や腹痛、エネルギー過多につながります。

まとめ

便秘の食事では、特定の食品へ頼るのではなく、穀類、豆類、野菜、果物、きのこ、海藻などを組み合わせて食物繊維を少しずつ増やします。脱水を避け、朝食後の排便習慣も整えましょう。食物繊維で張りや痛みが悪化する場合や警告症状がある場合は、食事だけで対処せず医療機関へ相談してください。

参考文献

最終確認:2026年8月9日。本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の栄養指導や診断・治療の代わりになるものではありません。